以下はあくまでも自分の体験や感想から来る完全な主観による文章。その点を踏まえて読んで欲しい。
さて、自分は精神障害者手帳を持って15年ほどになるが、今までの経験を考えると、手帳はメリットばかりではないと強く感じる。しかし、ネットの書き込みを見ると、どうやらデメリットを考えている人は意外に少ない様子だ。そのような状況を見ると、「もしかしたら手帳を取ったことを後悔している人もいるのでは無いだろうか?」と感じざるを得ない。そこで、ここでは、自分が感じた障害者手帳のデメリットを記そうと思う。
ところで、障害者手帳であるが、自分の感じるデメリットは2つある。それは「差別」と「就労」であると思う。
それぞれについて取り上げよう。
差別
人類にとって差別は非常に根深い問題と言えるだろう。古い時代から続くものは人種差別や民族差別などがある。また、日本にも差別はある。同和問題などは最たるものでは無いだろうか。
では、障害者差別はどうかと言うと……自分は周囲の差別意識の存在を強く感じずにはいられない。
これも自分の場合であるが……ある時には無視をされ、また態度がよそよそしくなったりと、行動からその人の差別意識が読み取れたわけだ。もちろん、それらの人も「差別は良くない」と口を揃えることだろう。モラルの問題もあるし、企業に勤めればコンプライアンスの問題もある。差別の肯定は絶対に出来ないであろう。
しかし、残念ながら、それは表向き。周囲の人は距離をやはり感じる。これは精神的に非常にキツイ。
ところで、どのタイミングでそのような差別を感じたかというと、やはり休職をした後……つまり、障害者雇用の立場で職場復帰をした頃と思う。周囲から見れば、なるほど、こちらは精神障害者だ。発言次第では追い詰めることになる。場合によっては自殺のリスクさえある。それでは良好な人間関係は築けない……というのが周囲の人間の腹の中なのではないかと自分には思えた。
ちなみに、その差別意識はどうなったかと言うと、最近はどうやら和らいだと感じる。ただし、自分は職場復帰をして10年を過ぎた。このことは非常に悲しい。と言うのも、「それだけ時間が必要だった」と言えるからだ。
まぁ、これは職場による、あるいは構成メンバーによるのだろうが、これから手帳を取得する人は、人間関係の構築には少なからず労苦が必要になるのではないか?…と自分には思える。
就労
障害者手帳を持つと企業の障害者雇用の枠を利用できるようになる。これは大きなメリットだ。自分の障害者雇用の立場だが、そのメリットをずいぶん多く受けた。一般の従業員では得られない就業制限を得られたからだ。
ちなみに、自分が手に入れた就労制限は概ね次の通り。
- 時間短縮勤務(自分は6時間就労で残業などは基本的には無し)
- 電話は取らなくて良い
- 就労内容の軽減(主な作業が比較的単純なもの。)
自分は今の勤務先の正社員から障害者雇用に再雇用となったわけだが、立場は非正規の1年契約だった。もっとも、年数が経った時点で無期雇用に変わり、定年までは少なくとも務められるようになっている。
さて、ここまで障害者雇用で自分の感じたメリットを記したが、これから手帳の取得を検討する人には次のデメリットも検討材料に加えて欲しい。
と言うのも、障害者手帳の取得によってどのような就労上のデメリットがあるのだろうか?
これはケースバイケースであるが、次のことがあるように思う。
- 一般就労には戻りにくい
- 賃金がそれほど見込めない
ひとつずつ取り上げよう。
一般就労には戻りにくい
これは企業にもよると思うが、少なくとも自分の勤務先の場合、一般就労には戻れないのではないか。……と強く感じる。一般就労の従業員は月の残業が40時間を超える場合も結構ある。しかも、ストレス負荷も桁違い。鬱に陥ってバタバタ倒れる部署もあるほどだから、障害者手帳を保持する自分を一般就労には戻さないことと思う。
ちなみに、20年くらい昔になるが、サラリーマンの自殺が社会問題となった。……自分の会社にも自殺者はいた。……それを考えるならば、精神障害者手帳を持つ者を一般には戻すはずは無いだろう。
では、別の企業に再就職をしたらどうだろうか?
基本的には手帳は公開の義務が無いらしいので、クローズでの就労は可能であろう。しかし、運悪くブラック企業に当たってしまったならば悲劇である。以前よりも更に厳しい症状が出るかも知れないからだ。例えば、残業の問題で労働基準監督署の是正を無視しながら操業している企業に当たったらどうだろうか?……大げさではなく、自殺のリスクが上がることだろう。これでは本末転倒だと、自分は感じる。
賃金がそれほど見込めない
賃金がそれほど見込めないこともデメリットだ。自分の場合は時間短縮勤務のため。ただ、これは仕方ないとも言える。と言うのも、総労働時間が少ないからだ。これは時給計算にしてみると分かりやすい。
例えば、8時間労働の会社が6時間の就労では、労働時間が3/4となる。となると、粗油会社就労の6時間勤務の社員は、8時間勤務の一般社員の3/4の時間になるから、それに比例して給与は落ちる。単純計算で、8時間勤務の従業員が32万円だとすると、6時間では24万円になる。その差は8万円、これはデカい。
ただし、賃金差はそれだけでは無い。賞与などまで考えるならば、相当な差が発生すると思われるからである。手帳の所持はそれだけのデメリットがあるのだ。
まとめ
精神障害者手帳について「自分の感じたデメリット」を書いてみた。完全な主観による記事なのではあるが、これによって手帳を取るのに慎重になった人も多いのではないか、と思う
いずれにしても、行政サービスは幸福度を上げるための制度と捉えなければいけないと自分は思う。そのためには慎重な取捨選択が必要。障害者手帳もその内の1つと言えるだろう。
ともかくとして、手帳には差別をはじめとしたデメリットが付きまとうだろう。手帳取得には注意が必要と捉えて欲しいものである。
