散財

症状

自分は双極性障害の2型を患っている。そのため、それなりかも知れないが躁状態による「奇怪な行動」の経験を持つ。幸いにも警察の世話になるようなことまではしていないので、履歴書の賞罰欄に「賞罰なし」とは書けるのだが、迷惑行為の経験はある。

さて、その奇怪な行動の中には「散財」がある。双極性障害の総状態になるのだが、どのような状態かを知る手掛かりにもなると思うので、エピソードを紹介しよう。

散財は「後先を考えずに金を使うこと」を指すと思う。良い例にはギャンブルが挙げられるだろう。よく「5万円スッた」などと聞くが、それなどはギャンブルをしない人からすれば散財だ。ちなみに、5万円はあくまでも例である。世間にはもっとスッている人もいる模様。散財とは大変なものだな、と思わせられる。

では、双極性障害の総状態での散財とはどのようなものか。……これはなかなか厄介だ。躁状態は自分の奇怪なほどに気が大きくなり、行動的になる。しかも自分ではそれに気が付かない。……例えば、人は気分が良いと思考の状態も良くなることだろう。天気の良い日には外に出かけたくもなるかも知れない。しかし、躁状態は少し違う。思考が通常の人よりもアップテンポになり、行動もそれに伴って奇怪なレベルにもなるのだ。しかも、自分ではその奇怪さには気付かない。繰り返すが、実に厄介だ。

そのため、お金を使う時も奇怪とも思えるような使い方に走りがちだ。ともかく、気が大きくなってしまっているので、ブレーキが非常に効きにくい。つまり、エンドレスのように金遣いが荒くなるのだ。

ちなみに、これは自分の首を絞めるだけではない。家族にも散々迷惑を掛けることになる。……家族での生活に迷惑を掛けるのであるから、障害と言わなければいけないのだろう。

では、具体的にはどのような散財があったのか。

まずは自分の例を挙げてみよう。

自分の散財は趣味に走るものだった。趣味はパソコンの自作で、秋葉原などからパーツを購入してきて自分で組み立てる、というものである。これは保証は自己責任になるが、低価格で高性能のパソコンを入手するのに有利な方法だった。

……自分はこのパーツの購入に散財をした。

パソコンのパーツは確かに安価なのだが、それでも合わせれば数万円もするもの。平民の自分にとっては大きな買い物である。そのため、財布に相当に余裕が無い限りはそちらに走ることは無かった。

しかし、躁状態はその自制を取り去ってしまった。ブレーキが効かなくなってしまったのである。それで家族には迷惑を掛けてしまった。面目は丸つぶれだった。

さて、次に周囲から聞いたエピソードを紹介しよう。

今まで出会った人には双極性障害の人が何人もいるが、やはり「散財した」と口をそろえた。そして、自分は太刀打ちできないような豪傑も居た。例えば、車を購入した例。当然ながら、車の購入はパソコンとは比較にならないほどに費用が掛かる。その人の購入した車が新車であるか中古であるかは聞かなかったが、相当な散財だったと言えるだろう。

次に、犬を購入した例。双極1型で躁状態がキツイため大きな行動が出やすいと思うのだが、その人の気の大きさは違った。……購入したのは高額な犬。聞いたところによると40万円も掛かったともいう。40万円と言えば大金だ。立派な散財である。

そのほかにもマンションを購入しかけたとか、FXで借金を作ったなど、驚くような事例もある。家族の反応までは聞く機会が無かったが、相当な迷惑を掛けたことだろう。

では、散財への対策はどうかと言うと……これも非常に難しい。ただ、躁状態は薬物療法である程度は抑えられるので、投薬が有効と言えるかも知れない。

しかし、それでも治るとは限らない。

恐らく、お金の管理を近親者に任せることが有効となるだろう。

ただ、そこには本人が「自分にはお金の管理能力が無い」と認めなければならないので、ハードルが高いと言えるかも知れない。少なくとも、情けない気分を味わわなければいけないだろうと思う。

双極性障害の散財について取り上げてみた。躁状態から来る「気が大きくなる行動」がイメージ出来たのではないかと思う。また、その悲惨さを想像出来た人もいるのではないだろうか。……家族の怒りを推測した人も居るかも知れない。

ともかくとして、散財は生活資金にも影響する。しかも治すのは容易ではない。何とかならないか……現時点では悶々としなければないのかも知れない。